お試しセット

久々に何もない日。本当は部屋を掃除したりコラムを書いたりしなければならないのだが、全てから逃避して茶を飲みに行く。茶を飲みながら音楽を聴く。これをずっとしたかったのだ。

相変わらず不味いクリエのミルクレープを食べながら、Caccinicaの『赤いカバン』を通して聴いた。今の私からすると歌唱技量的に気になる部分が多々あるけれど、やっぱり日本耽美音楽史上に残る名盤だなあと改めて自己満足。
以前業界のある人に「こういう音楽をやってる人たちは、日本にはいない」と断言されたのだが、確かにそうだろう。まずパーマネントなユニットでピアノ・ヴァイオリン・チェロ・カウンターテナーという編成は日本中探してもCaccinicaだけだ。そしてそんな素敵な編成で異常にディープな内容の楽曲を演奏しているのもCaccinicaだけだ。一般的に見たらへんちくりんだけれど、なんの疑念も持たずに「バンドやろうぜ!」ではなく、自分の表現したい世界観とそのための楽器編成を真摯に模索したらそういうことになったのだ。
私は舞台でも是非ゴリゴリの耽美をやりたいと思っているのだが、予算不足や美少女不足のためになかなか実現できないでいる。ただし音楽では聴き手の想像に依存できる部分が多々あるので、Caccinicaにおいては思う存分ゴリゴリしたいと思っている。

なお「耽美」と「お耽美」は違う。お耽美はちょっとそれ風にしてみましたという遊びの範疇。耽美に遊びはない。なんてことを恋月姫と茶を飲みながら話したことがあった。感性と技量をもって受け手に戦慄を味合わせるほどの表現を、耽美主義者はしなければならない。ヘタクソは去れ、である。
『コーラスライン』においてマイケル・ダグラス演ずる演出家がオーディションで踊っているダンサーに「○○番、バレエの経験は?」と訊く。ダンサーは必死に踊りながら「ありません」と答える。「Get out!」と怒鳴られ、ダンサーは泣きながら去って行く。耽美でなくとも、ショービジネスってそういう世界じゃないのかしら。譜面も読めない私が言うのもなんだけど。
『コーラスライン』は私のとても好きな映画のひとつだが、歌の内容が意外とバカバカしい。黒人ダンサーがほとばしる熱いパトスで踊りながら「サプラーイズ!」と血管ぶち切れそうに歌い上げるのだが、内容は単なる初体験の話だったりする。この「バカバカしい事を派手に歌い上げる」というイメージは先日の舞台で私が歌った『補が取れる』でも活かされた。

ところで『赤いカバン』はレコード会社が潰れて残念ながら廃盤になってしまった。なんとかして買えないのかしらと思って検索したらAmazonで中古が倍以上のプレミア価格で売られていた。なんたることだ。こんなプレミアついてもアーティストには一銭の得にもならないのだけど。

帰り際、シャンプーが切れていたのを思い出しマツキヨに寄る。NUDY AURAのお試しセットが480円でぶら下がっていたので間に合わせで購入。
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お試しセットより詰替え用を1500円で出してくれないかな。
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by maestro_k | 2009-01-28 20:40 | diary