帰京

千秋楽を終え、多くのキャストはその日のうちに新幹線で帰って行った。私含めた数人はゆったり過ごしたいということで延泊。片岡Pも加わり、寿司を食べたり、バーで歓談したり。
一夜明けて、キャスト二人とロープウェーで布引ハーブ園へ。山頂のレストランでハーブ料理のビュッフェを食べたりして素敵な休日を満喫。そして帰京。

今回のマリアさんは、昨年の公演より規模拡大という事で舞台美術の予算も増えたりして、様々な面で「作りたい舞台」に近づいて来た。その一方で明らかになって来た課題もいくつかあり、今後また続いて行くとするなら是非ともクリアしてゆきたい。一番残念だったのは、舞台全体のクライマックスとも言える演出がある事情で突然の変更を余儀なくされ、結局本番では一度も披露できなかったことだ。ただしこれは全くの不幸によるもので、誰のせいにもできないので仕方ない。作品の大勢には影響がなかったことで良しとするしかないだろう。
それよりなにより、公演の座席数に対する動員数が100%というのは凄い事だ。パンフレットの売り上げも上々だということで、それはつまりリピーターがそれほど多くなく、リピートしようにもできないほどにチケットが売れていたということらしい。

参考までに、本公演のセットリストと簡単なコメント。特に断わりがない場合、全てユザワ作詞作曲のオリジナル。

M1 「It's Entertainment!」…ミュージカルのオーディションシーンでの曲という事で、いかにもミュージカル!な曲を作ってみた。前半はシンプル、後半はゴージャスなアレンジにする事で、オーディションからスターへの変貌を表現したかった。

M2 「我が名はグスタフ」…黄泉の国という、えらくファンタジーな場での登場場面なので、あえてディズニー風に作ってみた。聴けば分かる通り『メリーポピンズ』の「チムチムチェリー」のパロディ。

M3 「おろしや旅情」…カラオケ屋で別紙くんが演歌を歌ったのが上手くて面白かったので、これは完全にアテ書き。母親に家出され、父親に虐待を受けて育った子供が成長してから恨みを晴らすという救いの無い歌詞をド演歌に乗せてみた。ピロシがマゾヒストになった由来を潜ませたつもり。

M4 「死んでゆく!」…ミュージカルやオペラにおいて、死に際に高らかに歌うようなシーンがよくある。そんな余力があるなら、いっそ元気いっぱいに歌い踊って死んでみたらどうだろう、そしてどうせだから全員死なせてみよう、と思って作った。

M5 「グロリア」…賛美歌。幕間のコバーケンタイム終了後の口直し。日替わりゲスト用にオリジナル新曲を覚えてもらうのは大変なので、誰でも知ってる賛美歌なら良いだろうと思ったのだが、半分近くのゲストが知らなかった。

M6「野ばら」…シューベルト。Mに入れていいのかどうか分からないが、一応グレイスソロ。当初はマリアさんが歌う予定だったが、脚本カットの際、グレイスが歌い、それにマリアさんの台詞が重なるという形に変更になった。

M7 「恋愛なんて三年もたない」…シャーリーとエミリーの現実主義的恋愛観をケロッと表現したくて、「サティやプーランクのコケティッシュな楽曲風に」とアレンジの注文をお願いした。

M8 「錆びた絆」…この曲は某アニメ企画に際し、エンディング曲をという依頼があり、Caccinicaでの演奏を前提に作った。残念ながらその企画は立ち消えになってしまったのだが、気に入ったので今回の舞台に組み込む事にした。セシルはこの曲に基づいて作られた登場人物であるがゆえ、そのマンガに登場する少女達が原型となっている。

M9 「エレジー」…「舞台の終わりにマリアさんが三日月の上で歌うとしたら」というイメージで、切なさと芯の強さを表現しつつ、サラッとした曲にしたかった。ほんのちょっとだけ「Fly Me To The Moon」を彷彿とさせるメロディラインを織り込んである。作詞した時点ではもうちょっと分量があったのだが、エピローグの締めとしてはやや長いのでカットされた。そのうちCaccinicaで本来の完全ヴァージョンを演奏したい。

以上。
これにて私の『マグダラなマリア』vol.2はおしまい。参加してくれたキャスト・スタッフ、ご来場の方々に多謝。
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by maestro_k | 2009-11-29 21:23 | diary