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あちゃー

財布スラれた。

執筆に向かおうと、Waterlooあたりの信号を待っている最中、リュックにちょっと人が当たった感触。さほど気にせず歩き出す。と、自分の影が道の斜め前に映り、後ろのカップルの影の一人の手が私の背中のリュックに伸びているように見えた。財布はリュック背面のファスナー付きの大きなポケットに入れている。後ろに手を回して確認すると、ガバッとファスナーが全開になっている。そして入っているはずのヴィヴィアンの財布がない!

どうもこいつらではないか、というカップルの男の方を見ると、私に背を向けて自分のカバンに何か茶色っぽいものを入れていて、それは私の財布のように思える。
「ちょっとゴメン、カバンの中見せてくれる?」
「へ?」
「財布無くしたみたいなんだけど。ほら。ココに入れてたのにファスナーが開いちゃってるでしょ」
「何?何のこと?」
「とりあえずバッグの中見せて」
「…ほらどうぞ」
しかし見当たらない。先に歩いていたカップルの女の方もどうしたのと言った様子で近寄ってくる。んー、もしかしてホテルに忘れて来たのだろうか。
「無いでしょ?知らないよ?何も無いでしょ?」
「あー分った。ごめんごめん、本当ゴメン」
その場を離れ、急いでホテルに戻る。しかし室内に置き忘れた様子は無い。これはやっぱり奴にスラれたのだろう。奴のカバンの中には見あたらなかったけれど、ひっくり返して中を全部を見た訳ではない。隠しポケットかどこかにしまわれていたのかも知れない。もっと徹底して追いつめてれば、万が一こちらの誤解でもまだ納得できたのに。
ひとまず電話をして、自分の個人口座と会社の口座のカードを止める。

パスポートはコートの懐に入れていたので帰国には支障ない。現金はもう300ポンド(4万円相当)くらいしか入っていなかったし、とりあえずは片岡Pに貸してもらえるだろうが、帰国してからのカードや保険証の再発行が面倒だ。あーあ、ここまで楽しい旅だったのになあ。ライカは無事だったし、現金は授業料ということで諦めよう。海外旅行の際は、財布の仕舞い場所にはくれぐれも慎重に。

それと今のうちに知人たちには謝っておく。ごめんね!財布スラれたからお土産買えなかったよ!

※追記
ほどなくしてコムデギャルソンの店員さんから「財布が届いている」との電話が。ギャルソン大好きの私だが、ロンドンに来てまで寄る必要はない。なぜにギャルソン?と思っていると、ショップの入っているビルの警備員が道で私の財布を拾い、「日本人だからギャルソンの客かも」と思って届けてくれたらしい。おおお!
いそいそと受け取りに行く。現金は抜かれていたがカードや保険証などはそのまま。おそらくあの男が金だけ抜いて捨てたのだろう。とりあえずお気に入りの財布が戻って良かった。

by maestro_k | 2011-01-22 02:22 | diary