夜逃げじゃないよ空き巣じゃないよ

新居での生活を始めつつも、今までの部屋を引き払う旨はまだ大家さんに伝えていなかった。一気に引っ越すための準備をするヒマがなく、三月末まで部屋は借りるつもりだったので、まだひと月以上の猶予はあるとのんびりしていたのだ。

今日は深夜にベッドを運び込むことにしていた。フウフウ言いながらダブルベッドを解体し、知人の車が到着する時間を見計らって外に運び出していると、大家のおばさんが「どうしたの?」と驚いて顔を出した。

「あー、まだ言ってなかったんですけど、引っ越そうと思って」
「ええ?なんで言ってくれなかったの?」
「いや、引っ越すと言ってもまだ先で、今日は新居にベッドを運ぶだけです。この部屋は三月末まで借ります」
「こんな遅くにガタガタ音がするからビックリしちゃった」
「すみません。仕事が忙しくて夜遅くしか時間がないもんで」
「一応携帯電話と引っ越し先の住所教えてくれる?」

大家のおばさんに続き、その娘の奥さんまで出て来た。明らかに夜逃げを疑われているようだ。私としては引っ越し一ヶ月前の通知にはまだ猶予があるし、単にベッドを運び出すだけなので何もやましい事はないつもりだったのだけど。まあ何も言わずにベッド運び出したらそう思われるか。

「どこ引っ越すの?」
「南青山です」
「あら、良いトコ行くわねえ」

ええそうです。夜逃げじゃないんです。どっちかっつーとグレードアップなんです。

「三月分のお家賃は?いつ払っていただけるの?」

え?普通に二月末じゃダメなの?そんなに疑ってるの?カチンと来て「じゃあ今払います」と言ったのだが、別に今日払うつもりでもなかったので手持ちが足りず、明日払いますということに。

荷物を車に乗せ、私が乗り込むと、知人が「あの自転車のオッサン、さっきからずーっとこっち見てて気分悪いんですけど」という。確かに自転車を止めたオッサンがこっちの動向を伺っている。おそらく近所で多発している空き巣かも知れないとでも思っているのだろう。夜逃げやら空き巣やら、深夜の荷運びがそんなに怪しく思われてしまうとはなあ。
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by maestro_k | 2011-02-25 03:30 | diary