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マリアさんとお揃い、じゃない

これもマーチン。ソールが柔らかめでスニーカーっぽい。
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前記事の靴がいくぶん大きめなので調整用の中敷きを買おうと稽古場最寄り駅のビル内の靴屋に入ったら、妙にマーチンが充実している。私が以前購入した、すでに製造中止の厚底マーチン(http://katoyumin.exblog.jp/15036255/)も定価ではあるが置いてある。へえーと眺めていたらこの炎柄が定価の三分の一以下で売られていたので衝動買いしてしまったのだった。ウチには靴が三十足くらいあるのでもう下駄箱に収納し切れない。どうしたもんかな。

さて源氏の稽古もラストスパートに差し掛かって来た。アウトラインはすでに出来上がっているのだが、上演レベルにするにはもうしばらく研鑽が必要だ。今回は若手が多い上、私と初顔合わせのキャストも多いので、芝居でも歌でも私の求めるニュアンスを理解してもらうのに多少時間がかかる。すでに出来上がったキャラクターを演じるマグダラのように当意即妙でパパッとシーンが出来上がってゆく、という訳にはいかないのだった。

バラードに苦労しているぽこたに「もっと上手に歌って」と身も蓋もない注文をしたらハア、と困惑の表情を浮かべていた。歌い手である彼には彼なりの歌唱があるのだろうし、いつものやり方なら楽に上手く聴かせる事はできるだろう。しかし、それは関羽の青龍刀のような記号としての武器であって、舞台上の役柄の感情表現とは何も関係がない。今回はその武器を捨ててステゴロで勝負してもらいたいと思っている。なので私からも歌唱指導の先生からも得意技の雰囲気歌唱はことごとく封印され、真っ当で実直な歌唱を要求されている。新たな歌唱法の組み立てに四苦八苦している段階なので「もっと上手に歌って」という注文も出てきてしまうわけだ。これは別にいじめている訳ではなく、同じ歌い方しかできなければ遅かれ早かれ壁にぶつかることは目に見えているので、もっと歌に対してニュートラルな姿勢を取れるようになっておいてもらいたい、という愛情のつもり。たぶん。

by maestro_k | 2011-11-05 11:59 | diary