ノーザンプトンとコーラスライン

4月1日。
ずっとノーザンプトンに行ってみたかった。英国のシューズファクトリーが点在している、英国紳士靴の聖地である。ファクトリーにはショップも併設されていて、チョイキズのB品が格安で売られていたりするのだ。今回はやっと時間を作れた。
午前中からEuston駅へ。そこからMidland鉄道にて一時間ちょっと。途中、羊や馬が放牧されていて、それはそれはのどかな風景であった。

駅の線路脇を流れる小川。白鳥さんがいた。
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駅から歩ける範囲のファクトリーは、
・ジョンロブ
・クロケット&ジョーンズ
・トリッカーズ
・チャーチ
の四カ所。このうちジョンロブはB品でも高価過ぎるし、クロケットは月曜日に営業していないのがわかっている。なのでトリッカーズとチャーチの二カ所に絞り、まずは駅から遠いトリッカーズへと歩く。

道中の、何か由緒ありげな教会。
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しかし寒い。ああ寒い。なんで私はたかだか靴を買うためにイギリスの田舎まで来てこんな寒風の中、手をかじかませて歩かなければならないのだ。トリッカーズもチャーチも、春の陽気に包まれた南青山の自宅からすぐそばのショップに買いに行けるのに。
ガタガタ震えながら、25分ほどかけて到着。

トリッカーズのファクトリーがあるセント・マイケルズ通り。地味。
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ファクトリーショップのドア。しかしノックしても誰も出ない。あれ?閉まってるよね?これ。
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チクショウ、せめて電話で確認しとけば良かった。でもサイトに明記してある営業時間に訪れたのだからこちらに非はないはずなんだけど。そういうのが通用しないのが英国の殿様商売のルーズさなのだろうか。

仕方ない、そそくさと来た道を戻り、駅の反対側のチャーチへ。
見えて来た!
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閉まってる!
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トリッカーズよりさらに判り易く閉まってる!シャッターだもの。これで営業してたら逆にすごいよ。
ちゃんとこの時間内なのになんで?
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ファクトリーの向かいにはチャーチ従業員用の駐車場があり、そこにもほとんど車は停まっていない。やはり営業していないようだ。ガビーン!
きっとこれはあれだ、八百万の神のうちの靴の神様が、靴神さまが、お前にはすでに一生分の靴があるではないか、これ以上何を求めるというのだ?と私を諌めているのだ。きっとそうなのだ。

失意の中、道の途中のスーパーにCOSTAのベンディングマシーンがあったので、冷えたカラダを暖めようと紙コップをポンと置くが、ディスプレイには「故障中。しばらくお待ちください」の表示。店内には他に暖かいドリンクは売っていない。あーもう。仕方ないので駅に戻り、予定の便より一時間以上繰り上げて帰途につく。

ーーーと、こんなわけで、私の初めてのノーザンプトン体験はクソミソな結果に終わったのでした。


さて夜は『コーラス・ライン』を観劇。昨年まで『オズの魔法使い』がかかっていたオックスフォードサーカスのパラディウム劇場にて。
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『コーラス・ライン』は二十年ほど前に四季の公演を日生劇場で観たっきりだ。この作品は、大抵の日本人キャストでは目も当てられないほどみっともないものになる。映画版の印象が強かったので当時はなおさらそう感じられた。レオタード姿が様になる日本人が皆無とは言わないけれど、そうそういるはずもない。歌やダンスのスキルを優先させるとスタイルの良さは後回しになるのだろうが、いくら上手でもみっともないものはみっともないのだ。

そんな訳でロンドン版には期待をしていたのだが、それほどの感銘は受けず。おそらく、見た事の無いブロードウェー版の方がずっと良いだろう。ちゃんと歌える人が二人くらい、後はまあ悪くない程度。ダンスメインの作品ではあるが、そのダンスも昨日のミハイロフスキーバレエの後では雑に感じられてしまう。観る順番が悪かったな。

「Nothing」を歌うこの人は非常に良かった。
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キャシー役。綺麗だしダンスも上手いし歌も悪くないんだけど、なんだろうね、華が無い。
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開演前の舞台上方には「in 1975, Broadway」と投影され、キャストたちの衣装も当時の雰囲気を感じさせる。ワウの効いたギターがシャコシャコと鳴る音楽も何とも古くさい。初演時はコンセプトミュージカルとしてリアルタイムの表現でやっていたのだから、衣装も編曲も時代に合わせて変化させてもいい種類の作品だと思うのだけど。

そういえば日本でもまた四季がやっていたはずだ。二十年前よりはマシだろうし、ロンドンの記憶が新鮮なうちに観に行こうかな。
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by maestro_k | 2013-04-06 02:40 | diary