もののけ姫とマウストラップ

4月2日。
昼過ぎにNEW DIORAMA THEATREなる小劇場へ。
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『Princess MONONOKE』のゲネを観に行く。『もののけ姫』を舞台化したもので、宮崎監督が初めて自作の舞台化を許可したという事で話題になっている。

実は今回の訪英のメインの目的はこれで、この舞台の招聘に関わっている片岡Pが「仕事でこれを観に行くから、ユザワくんもどうせなら同じ時期にロンドン来れば?」ということになったのだ。14時からだというゲネは押しに押して30分遅れで開始。劇場内に入ると、80席ほどの本当に小劇場だ。ただし舞台上のタッパは高く、五間以上はあるのではないだろうか。

で、結果からいうと、なかなかの難物であった。学生劇団と考えれば(実際そうだし)相当頑張ってはいる。演出上の意欲的な試みも見られるし、衣装や美術の作り込みもかなり手をかけている。でも、明らかにプロのクオリティに達していない。もちろんゲネであるから、初日以降修正されて行く部分も多々あるだろう。
劇中いくつか殺陣があるのだが、何のこだわりか武器を本当の金物で作ってある。武器同士が当たってガチンと生音がするのはいいけれど、それ以前に重過ぎて全く扱い切れていない。当たると大ケガをするから非常にヌルい殺陣になってしまっている。逆手に取ってスローモーションにしている部分もあるが、形が美しくないので意味が無い。とりあえず、現状では演出家の観念性が先立って、実際の芝居作りの経験がまだまだ足りないカンパニーという印象。
キャスト陣の演技の未熟さは年齢的なことを考慮すれば仕方なしとして、この劇場の10倍のキャパの劇場で来日公演をする以上、かなりのテコ入れをしないと日本の一般的な観客を満足させることはできないだろう。英国でアマチュア芝居を観たのはこれが初めてだが、ふるいにかけられていない人たちのレベルはこんなものか。彼らのうち何人が10年後にプロとして活動できているだろうか。

夜、アガサ・クリスティーの『マウストラップ』を観に行く。
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彼女の作品中唯一映像化が許可されていないもので、原作小説や戯曲を読むか、この舞台を観るしか無い。そして50年超という世界最長上演記録を更新中の作品だ。

チケット代をケチって£19の三階席にしたら大層見辛く、おまけに隣りに座った男が荷物を自分の脚の間ではなく右隣りの私側に押しやってエリア侵犯をしていたり、しょっちゅうスマホ画面をピッと表示して時間を確かめたり、暑いのかセーターを脱ぎ出して私にガンガン当たったりと本当に不愉快な状況に耐え切れず、一幕終了と共に劇場を出る。安過ぎる席だとやはり客の質も落ちるな。一幕終わりに起こった殺人の行く末が気になるところだが、それはまたの機会に。今度はもっと良い席で観ることにしよう。

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by maestro_k | 2013-04-06 15:37 | diary