初日でございました

『大西洋レストラン』初日。大過なく終了。

今回はいつもより観客へのサービスを控えめにして、自分で素敵だと思える世界構築に重点をおいている。なので終演後の拍手がパラパラと戸惑い混じりのものであってもまあ仕方ない、と腹を括っていたのだが、実際いただいた拍手は思いのほか力強いものだった。開き直って強がる必要も感じぬくらいに観客には受け入れてもらったようで、本当に有り難いことだ。世の中にはたっぷりお金をかけたスペクタクルな舞台も沢山あるけれど、今回のようにサラッとシンプルな見せ方でも素敵に作ればちゃんと伝わるのだなあ。

もちろん私だけの手柄なはずもなく、キャストは短い稽古期間で台詞を覚え、ニュアンスも理解してくれているし、スタッフワークも過不足無く良いシンプルさを作りだしてくれている。H ZETT Mさんは私の「バッハのインヴェンションっぽい感じからリスト的超絶技巧曲へ」などという、言うだけなら簡単でも作って弾くのはこの上なく面倒なはずの注文に見事に応えてバラバラと弾きまくってくれている。ちなみに劇中で演奏されている曲は全て今回のための書き下ろしなので、是非とも劇場で体験していただきたい。

Oくんやケラさんが観に来てくれていた。ケラさんに私の舞台を観てもらったのは何年振りだろう。「いやー、面白かったよ」と褒めてくれた。「短くてスッキリまとまってるし」というので「まあナイロンよりは短いですね」と答えたら「余計なお世話だよ」と言われた。
実は作演出家としての私を最初に評価してくれた作家はケラさんで、15年くらい前に観てもらった芝居をとても褒めてもらったことで芝居を続ける自信もついたのだ。全然その恩に報いたことはないのだけれど、今回緒川さんに出演していただいて、その芝居を面白いと思ってもらえたなら、これはもう作家として恩返しはしたということでいいんじゃないかしら。まだ足りないかしら。足りないなら生ハムセットくらい付けたって全然構わない。

当日券は用意してあるので、観劇を迷っている方はフラッと博品館劇場に足を運んでいただけたら幸いだ。
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by maestro_k | 2013-05-23 01:29 | diary