ですが、ですが、ですが、

近頃はネットでブログや掲示板が発達し、誰でも文章を晒せるようになった。
文章というものが主に活字で広まっていた頃、書き手は主にプロの文章家であったし、人前にその文章が出るまでにはいくつかのフィルターが通されていた。
ブログや掲示板ではそれがない。プロでも素人でもゴロリと丸出し。真っすぐなキュウリもひん曲がったキュウリもいっしょくたである。そんなに文章力を問うつもりはなく、その人の人柄が出ていれば充分楽しんで読めるのだが、世の中にはビックリする程マズい文章を書く人もいる。私は文章で飯を食っている訳ではないが、芝居を書くので言葉にはそれなりに気を遣う。だからたまにヒドい文をみると、とても気持ちが悪い。

私が良く参照するHPに「価格.COM」がある。ここの「クチコミ掲示板」などは本当にヒドい。もちろん大抵の人々はまともな文を書いているし、参加者の目的は商品に関する情報交換であって文筆芸ではないから、意図が伝われば良いのだろう。しかし悪文に非常に高い頻度で出くわすのも確かだ。
例を挙げて行くとキリがないのでひとつだけ。

Q.「質問です。先日○○を購入したのですが、一回の充電で300枚撮れるということだったのですが、初めて外に持ち出してみたのですが、170枚くらいの時点でバッテリー切れになってしまったのですが、これは初期不良でしょうか?」

実例ではなく、私の捏造した文。しかしよくある類いのものだ。
一見して判る通り、「ですが」が多過ぎる。悪文の典型。これは文を無理に繋げようとするからだ。なにが「ですが」なのかもよく判らない。
私はブログにおいてはできるだけ一文を短めにするよう勝手に心がけている。その方がリズムが良く、読み手に伝わり易いと思うからだ。無論ジエイムス・ジヨイス若しくは谷崎潤一郎が如き句読点不在の長文も我が文章力を以てすれば決して難きに非ず寧ろ喜び勇んで綴る所の物では在れど其れでは現代に於いて只自らの筆力に溺れ文のみ冗長と成りて伝わる所少なき故敢えて平易なる言葉と形式を用ゆる次第。

ついでに、擬古文風に「言ひたひ」などと書いているのは間違い。「言ひたい」が正しい。「言ひたうございます」と活用させてみれば判る。「言ひたふございます」はないのだ。
「かほり」も正しくは「かをり」。これは『シクラメンのかほり』の罪だろう。

以上、高校時代、古文で赤点を取ったユザワが独断と偏見でお送りしました。
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by maestro_k | 2006-07-14 02:56 | diary