オールアップ&面倒くさい話

正午に東映撮影所。
本日でレギュラーが揃う撮影は最後。ということでキャスト・スタッフ勢揃いで記念撮影。夕方から尾白・尾黒のグリーンバック。終了して渡辺さんと私はオールアップ。花束をいただく。

本日の収穫。
・事前に録られた声に合わせて演技をする場合、声が聞こえてから動き始めるのでは遅い。
→普通に人が話す場合でも、口を開けたり息を吸ったりという準備が直前に起こるものだ。よって、事前に録音された現場の音の「カチンコから台詞始めのタイミング」をテストのうちに掴んでおき、自分の台詞の一拍前にアクションを起こすと、幾分リアリティが出る。

ということで、被り物の演技をする機会があったら是非活かしてみていただきたい。

さて面倒くさい話というのは、役者の作業には直接関係ない。画面合成におけるレンズの画角の話である。本当に面倒くさいので注意。

まず、画角というのは画面に映る範囲を表す角度で、これはレンズの焦点距離と密接な関係がある。単純に言えば、
レンズの焦点距離が短い→広角→画角広い。
レンズの焦点距離が長い→望遠→画角狭い。
50mmレンズで以下の花が写った場合、倍の焦点距離の100mmレンズでは対角線にして半分、面積にして4分の1の範囲が写る。
f0056516_22374556.jpg
で、例えば下のような合成画面を作りたいとする。
f0056516_2375538.jpg
まず任意の画角で元絵Aを撮る。ここでは50mmで撮ったとする。
f0056516_2310583.jpg
で、こんな感じにしてみたい訳だが、クマ(クマなのだ!)の素材画面(元絵Bとする)の対角線は大体元絵Aの3分の1くらいだろうか。
f0056516_2314312.jpg
対角線が3分の1ということは、焦点距離3倍の150mmで下の絵を撮れば良い。
f0056516_2319036.jpg
じゃあどっちも50mmで撮ったらどうなるかというと、二つの絵の距離感が合わなくなる。極端な例を出せば、高層ビルを真下から撮った絵を手のひらの上に合成しても不自然になることは想像できるはずだ。もし50mmレンズしかないならば、クマ(クマなのだ!)を画面いっぱいではなく、最初から3分の1のサイズで画面に収めた元絵を撮れば良い。
もっとも、きっちり正確にしなくても±10%くらいの誤差は許容範囲だと思われる。
カメラマンさんや監督さんがこういう計算をして撮影しているかは知らない。プロなので見た目の感覚でスパッと判ってしまうのかも知れない。グリーンバックの撮影でカメラが手前に来たり奥に引っ込んだりしているのを見て、何となくこんなリクツなのかしらと考えながら演技していたのだった。

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by maestro_k | 2007-02-21 23:39 | diary