ビシッと履け

マグダライブの構成台本絶賛執筆中。
今回は土日のうち、日曜日はチケットが良く売れているらしい。逆に昼夜二回の土曜日が割れてしまって余裕があるようだ。どうせアレだ、土曜日の昼か夜にマグダライブに来て、もう一方は別の舞台に行こうとかいう魂胆なのだろう。まあ普通そうするわな。今のところ土曜日二回分で日曜日一回分の埋まり具合のようなので、マグダライブの存続を願う方は是非土曜日にお友達を引き摺ってでも連れて来ていただけると有り難い。


さて、良くマーチンのブーツを靴ひもユルユル状態でズリズリパッコンと履いている人がいる。

あれはダメですよ。

ローファーの踵を踏んづけて履いてる女子高生くらいダメですよ。

日本の生活環境で靴ひもをイチイチ結んだり解いたりするのが面倒だというのはわかるのだけど、だったらブーツ履かなきゃいいのだ。履く以上はちゃんとしないと。レースアップブーツ、特にマーチンはビシッと羽根を閉じて履くのが様式美なのだ。ユルユル状態でバッコバッコいわせてるとヒールの減りも早いし、何よりだらしなくて清潔感がない。実際、街中での粉塵がブーツの中に入り易くなりブーツにとっては何も良い事が無い。

ヒモの通し方にも作法がある。スニーカー方式でクロスさせて通すとヒモが邪魔してピッチリ閉まらず、羽根部分がウネウネと波打ってヒモの跡が付く。

なのでこうする。
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左右の穴を互い違いにひとつずつ飛ばして下からくぐらせ、表面は平行にする。と文で説明しても判り辛いので、以下で調べてみていただきたい。最初に紹介されている方法だ。

ドクターマーチン福岡「ドクターマーチン靴ひもの結び方」
http://www.yashimasangyo.com/drmartens/himo.html
ジャーミンストリートのトリッカーズで試着したときも、お店のおっさんが目にも止まらぬ早さでこの通し方をしてくれた。

しかし人の足は千差万別なので自分の足では羽根がピッタリ閉まらないという人もいるだろう。ならばワンサイズ大きめを買えば良い。絞めれば足首あたりまで固定されるので歩き辛いと言う事はないし、余裕があり過ぎたらインソールで調節すればよい。100円ショップのもので構わない。女の子なら5センチアップのシークレットインソールを入れたっていいだろう。私の場合、UK8だとつま先があたり、UK9だとややユルいのでUK9に薄手のものを入れてジャストにしている。

そんな訳で、我が家のマーチンシスターズはいつもビシッとしているのだった。
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8ホール9足、10ホール5足。これで手持ちのマーチンの半分にも満たないのだから、ヘタな古着屋より充実している。
黄色の10ホールがふたつあるが、同じなのは色だけで、トゥの形状もヒールの厚さもレースホールのデザインも全然違う。レモンとバナナくらい違うのだ。

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# by maestro_k | 2013-06-22 00:41 | shoes

コピック

先日絵を描いた際はゲルボールペンに無印のカラーペンという小学生並みの画材だった。やはり水性ペンは黒が滲むし紙も傷む。今後も舞台の美術やら何やらでイラストを描く事もあるだろうから、アルコールマーカーを買っておいた方が良いかなと思い立つ。

で、絵を描く人なら誰でも知ってるコピック。
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コピックはデザイン用品会社の「.Too」の代表商品のひとつだ。何を隠そう私は十六、七年ほど前、恵比寿にある「.Too」のデリバリーセンターでバイトをしていた。様々なデザイン事務所からFAXで送られて来る注文書に従い、このコピックやらPMパッド(デザイン用紙)やらを紙袋やダンボールに詰めていた。よく商品を間違えてデリバリーのおっちゃん達に怒られていたものである。当時はデザインにMacが使われ始めたばかりで、iMacはもちろんPower Macなどもまだなく、Performaが90万円とかしていた。今では当時の最高機種の10倍くらいの処理能力のマシンが10分の1の値段で手に入るのだから隔世の感がある。
ここで働いていたのは一年半ほどだったが、その間に母が亡くなったこともあり、私にとっては良くも悪くも印象深いバイト先だった。ある舞台に出演するために辞めてしまったのだが、その頃はバイト先の誰もが私が芝居で喰えるようになるなんて思っていなかったろうな。

で、コピックはまだ買ってない。思ってたより高いのだ。
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# by maestro_k | 2013-06-16 22:56 | diary

これでしばらく

靴の紹介は休もうかと思う。もうない。いやあるんだけど、紹介するほどの靴はもうない。

WHITE'Sのキャップトゥ。素敵だなあ。
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黒やウィングチップのブーツは季節柄暑苦しい気がして、夏にも履けるブーツとして茶のキャップトゥが欲しかったのだ。ワークブーツはプレーントゥよりキャップトゥの方が可愛いと思うのだが、あまり見当たらない。ワークブーツに可愛らしさを求める人が多くないのだろうか。

後ろ姿。
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別のホワイツと比べるとやや垂れ尻感が。
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革は以前紹介したウルヴァリンに使われているのと同じクロムエクセル。非常にオイリーで馴染みが良い。油粘土みたいな感触。
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# by maestro_k | 2013-06-14 00:42 | shoes

お絵描き終了

二日間で15枚。疲れた。
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描き上がった絵を書類上に配置して、キャプションつけて、ザザッとテキストを書き上げる。ある企画のための打ち合せ用書類なのでイラスト自体は別に表に出るモノではないけれど、描き始めると楽しくなって何時間でも続けてしまう。

さて、気分を切り替えてマグダライブの構成台本に入ろうかと思っていたところに、急遽テキストの追加執筆の要請。んー、まだ足りないのか。

フローシャイムの白黒コンビ。
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夏っぽい靴が欲しいなあと思ってしばらく前に購入し、そのままヒール交換に出していた。
オリジナルのヒールはレザーに釘を並べて打ってあるもので、滑って危ないのでハーフラバーのヒールに交換。ダブルソールではヒールとの段差が出ないのが気になったので、ついでに1センチくらい積み上げてもらった。

おかげで後ろ姿はズズンと重厚な感じに。ラバーソールみたいで気に入っている。
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持ち帰ってから自分でトゥプロテクターを取り付ける。
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キズが入っているのは滑り止め用にハサミの先でガシガシやったから。
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# by maestro_k | 2013-06-12 01:10 | shoes

引き払う

仕事でお絵描き中。意外と時間がかかる。
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さて現在は南青山に住んでいるのだが、その前の江古田の部屋もずっと借りっ放しだった。荷物を運んでるヒマがなかったから。住んでないのに物置状態で2年以上、更新すらして借り続けているのはさすがに不経済と言う事で、業者に頼んで全部処分してもらう事にした。直筆で書いていた頃の脚本原稿や昔の写真など、一部の捨てられないものだけピックアップして、あとはキレイさっぱり廃棄処分。部屋も完璧に清掃してもらった。もちろん経費はかかるが、年末まで借り続けるより安上がりなのだ。ずっと気になっていたことがひとつ片付いて一安心。
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# by maestro_k | 2013-06-08 23:34 | diary

東京は面白いな

執筆用の資料を読むために深夜の表参道に繰り出す。
終電過ぎだと誰もいない。
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伊藤病院裏のロイヤルホストに行こうと思ったら、なにやら不穏な空気。トラックが乗り付けられ、ソファなどの備品が運び出されている。店頭に出された案内板を見ると「閉店のお知らせ」と書いてある。ショック!なんでこのタイミングで。深夜に使える貴重な店だったのに。
テクテク歩いてキディランド隣りのカフェへ。
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ここも深夜営業している。とても雰囲気のある店で、その分照明が暗くて資料を読むにはちょっとしんどいのだがこの際仕方ない。小腹が空いたのでアグー豚丼なるものをオーダー。
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翌日、乃木坂からテクテク歩いていると、また見かけてしまった。
青樹亜依。おそらくニューシングルの『愛の天使パトラー』。
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ちなみにこれは本来カメラ店のショーウィンドウだ。何故か知らないがこのカメラ店が青樹亜依の発信地となっているのだ。
店内には青樹亜依グッズが満載。
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一応カメラも店内奥に置いてある。青樹亜依とカメラの割合は8:2くらいで、カメラ店として経営が成り立っているかはわからない。

さらにテクテク歩いて表参道。
新潟のゆるキャラ「とっぴー」か「きっぴー」がいるのはいつもの事だが、「レルヒさん」なる新顔が。
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帰宅して、頂き物のマリアージュの香を焚いて一息つく。
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# by maestro_k | 2013-06-07 12:02 | diary

そろそろマグダライブ

遅きに失した感もあるが、『マグダライブ!』の告知をアップ。
昨年は謎の平日開催で赤字決算となり痛い目にあったが、楽しかったから今年もやろうということになった。今回は土日開催で言い訳ができないので、友達百人連れてきていただきたい。二回公演の土曜日がまだ余裕があるらしい。セットリストは各回3分の1くらい違うので土曜は一回でいいやと見くびらないことだ。

さて、またぞろ急な執筆仕事が入って俄に忙しい。でも楽しいから構わない。

某女優から「誕生日の飲み会に来い」と言われていた。別に誕生日じゃなくてもしょっちゅう顔合わせてるからいいじゃないかと思うのだが、22時からだと言われ、その時間に仕事や打ち合わせという言い訳も不自然なので顔を出す事に。

プレゼント用のホワイツのブーツ。中古だけど。
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ホワイツのビジュアル的な最大の美点はこの後ろ姿。実によろしい。南北戦争前からブーツを作っているだけある。
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本人着用の図。シューレースはマーチンのメタルチップ付きに替えてあげた。
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いいなあ。実にいい。
ホワイツを履いている女性は日本はおろか、世界でもほとんどいない。レディースサイズの既製品を扱っているショップがまずないからだ。オーダーすれば作れるが新品だとバカ高い。たまに中古のレディースサイズが出回ったりすると穴場ゆえに意外と安く手に入るので、興味のある方はオークションなどで探してみるといいだろう。

日付変わって、夕方から『マグダライブ!』の美術と構成の打ち合わせ。ちょっとした小道具類の必要性なども構成台本が進まないと明確にならないので、こちらも早めに進めなければならない。

帰り際に代官山の和牛バーガーの店に寄る。久しぶりの動物性タンパク質。やたら美味しかった。
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# by maestro_k | 2013-06-05 12:55 | shoes

金のかからない趣味その二

カフェモカを飲んだらミルメークを思い出した。
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まだあった。今度は飛行機。
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Zippoが大きいのではないのだ。小さい。細かい。誰だよこんなの作ったの。
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ピンセット。
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カメラの分解と組立用に購入したので結構繊細なのだが、それでもこのキットには先鋭度が足りなく思われる。

完成。今回は接着剤を使わなくて済むタイプだったのでサクサクと一時間半程度。
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ほら小さい。
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高校生の頃は一日何時間勉強してても楽しかったのに、おっさんになって来ると徐々に集中力が低下してくる。こういう作業は集中力養成にいいかも知れない。
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# by maestro_k | 2013-06-01 01:20 | diary

金のかからない趣味

ボンゴレビアンコ。
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週3くらいでランチを食べに行くカフェが近所にある。単に一番近いからそこにゆくのだが、有名店らしくて味も良い。タバコが吸えるのも今どき有り難い。選ぶのが面倒なのでいつも日替わりのパスタセット。

昼間の南青山は子供たちが散歩したりしていてのどかな風景。
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STACY ADAMSのブーツ。
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ステイシーアダムスはジャズミュージシャンに人気のある靴だったそうだ。薄手の革は柔らかくて軽い。クラシカルなドレッシーさがあるし、スマートなソールとヒールはステージの床をゴツゴツ鳴らしてノイズを立てることもないので確かにミュージシャンに似つかわしいかも知れない。


さて、カメラや靴などやたら金のかかるモノにばかり興味を持ってしまうとキリがない。カメラはローライやライカまでいって大体気が済んだ。あとは撮る事に専念したい。靴もドレスシューズはジョンロブ、ワークブーツはホワイツまでいったし、マーチンだけでも40足以上ある。年に一足ずつ履き潰していっても人生が足りないのでもう良いだろう。

そんな訳で金のかからない趣味を見つける事にした。
手始めにこれ。
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二年ほど前にある芸能事務所の社長さんからいただいた模型キット。ずっと忙しくて取り組むヒマがなかったのだが、満を持してチャレンジすることに。

開けてみると、まあ細かい。小さい車輪部分が一円玉より一回り小さいくらいのスケール。ピンセット必須である。
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ユザワはこういう細かい作業が好きそうだよなあとお思いになるだろうが、その通りだ。部品を飛ばさないよう呼吸にも気を遣いながら二時間ほどかけて完成。
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脚本もこのくらい集中して書ければいいんだけど。
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# by maestro_k | 2013-05-31 11:34 | shoes

披露宴&『大西洋レストラン』千秋楽

『大西洋レストラン』千秋楽。

劇場入りの前に、帝国ホテルの披露宴会場へ。D社のK会長の結婚式および披露宴の準備が行われている。この披露宴におけるサプライズのひとつで「新郎新婦のなれそめを朗読劇で紹介する」という企画の脚本を依頼されていた。自分の稽古も終盤に差し掛かった時点での急なオファーで余裕はなかったのだけど、数分程度の短いものだし、お祝い事だし、面白そうなので引き受けさせてもらった。
で、この読み手がなんと声優TさんとOさんだという。某アニメ好きとしてはお二人に自分のくだらないホンを読んでいただくだけでも恐縮だ。おまけに当日リハに来て二人に演出をつけろと言われて愕然とする。しかし私の書いたホンだから私が演出するのが筋な訳で、そこはお二人が最高司令官とその息子であろうが、演者としての大先輩だろうが、逃げちゃだめなわけである。
限られたリハ時間の中で、可能な限りニュアンスやイメージを伝える。お二人ともプロ中のプロなので、たちどころにホイホイと仕上げてくださって見事なものだった。
こちらも公演中なので肝心の本番を見られなかったのは残念だが、スタッフさんからは「大受けでした!」とのメールが来てひと安心。


『大西洋レストラン』は昼夜二公演サラリと無事終了。
今回はいろいろと幸福な舞台だった。執筆時点でひとりでウーウーと病み、それが稽古場に入ってからキャスト陣の存在感と演技、H ZETT Mさんのピアノという要素で、不安がドンドン溶けていった。それでも客受けの悪さは覚悟していたのだが、それも初日以降の評判の良さでこちらが拍子抜けするほどだった。

今回の脚本はマグダラなどに比べればだいぶサービス不足である。余白を多く残し、そのかわりエンタメ成分としてはピアノと歌とステージングで十分でしょ?ユーモアはあってもギャグはないよ?という高踏派な作り。天然ロボットやCaccinicaを見て来ている方々にとってはユザワは元々こういう感じだよね、というものでも、昨今のイケメンエンタメ舞台に慣れた観客には肩すかしに思われるだろうと予想していた。私の作品に常につきまとうエロティシズムや、余白の意図に対する受容体がないと、今回の舞台を楽しむ作業はとたんに困難になる。もちろんホンのぶっきらぼうさをキャストの存在感やH ZETT Mさんのピアノでカバーできた事が大きいけれど、私の想像以上に観客の受容感度は高かったようで、それはとても有り難いことだった。
初日に来ていたケラさんが千秋楽も見に来てくれた。自腹で。緒川さんが出ているとはいえケラさんが舞台をリピートするなどとても珍しいことで、ああ本当に気に入ってくれたんだなと嬉しかった。芝居よりピアノを聴きに来たのかも知れないけど。

以下セットリスト。

M0『大西洋レストラン』 脚本執筆以前に、H ZETT Mさんがタイトルイメージから作ったテーマ曲。今回は芝居前後に持って来て、作品全体のテーマ曲とした。

M1『Welcome to Atlantic Ocean!』 船内レストランのシーンが始まるときの曲。賑やかで、これからお芝居が始まりますよ!という期待感を抱かせるイメージでと注文。

M2『ニコラ・テスラ博士』 ダイナモの営業マンのエピソードの後、エレクトリカルなレトロ・フーチャーのイメージでと注文。

M3『バレエ・バレエ』 モダンバレエの前のクラシックバレエ、さらにその前のロマンティックバレエの踊り子を歌った曲。マグダラの『It's Entertainment!』にも通じる、芸事と風俗の未分化状態がテーマ。

M4『ドリアン・グレイ気取りの婚約者』 浮気者の婚約者を持った女の嘆きと、そのしたたかさを歌った曲。

M4.5『(タイトルなし)』 主人公である女性の不安感と芝居上の幾らかの時間経過、キャストの着替え時間を考慮し、なんか一曲入れといてくださいと稽古途中で注文したもの。一小節分のテーマだけ私が提示し、そこからHさんがドコドコと変奏を展開していった。

M5『可哀相な少年』 完全なる耽美楽曲。曲想も歌詞の内容も純耽美系。Caccinicaで演奏しても全く違和感はないだろう。そういえばH ZETT MさんのピアノはCaccinicaのAYAちゃんとはまたタイプは違うのだが、指の強さと早さはほぼ同等で、Hさんのピアノを聴く度に私はAYAちゃんのピアノを思い出していた。AYAちゃんもやっぱり上手いんだよなあ。

『私が十四歳になったら』 楽曲ではないのだけれど、途中で詩の朗読をどうしても入れたかった。これは10年前の天然ロボットの『12のカプリース』という小品中のワンピースだったもので、今回緒川さんに読んでもらったら大層素敵だろうなと思ったのだ。空間密度や芝居とのバランスを考えて当時よりも3分の2くらいに刈り込んである。

M6『調律師のエチュード』 船の沈没前、調律を終えたピアニストがピアノに最後の別れを告げる曲。という設定は後からしかわからないのだけど。脚本における注文には「88鍵を全て鳴らす感じで、バッハのインベンションからリストの超絶技巧になってゆくイメージ。」と無責任に書かれている。そのピアノを最高に鳴らしてあげて、パタッと蓋を閉めて去って行くのが素敵だなと思ったのだ。実際に88鍵全てが鳴っているのかは知らない。

M7『Welcome to Atlantic Ocean!』 流れ着いた島で歌手とピアニストが奏でるリプライズにもならないリプライズ。レストランのオープニングと対照的に、気の抜けたイメージで。


今回の舞台はDVDにもならないし、サントラも出ない。舞台ってもともとそういうものだし。ただH ZETT Mさんの今後のアルバムに楽曲が収録されるという可能性はあるから、『大西洋レストラン』を思い起こすよすがを欲する方はHさん方面にかけあってみたらいかがだろう。

これにて私の『大西洋レストラン』はおしまい。ご来場していただいた方々に多謝。
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# by maestro_k | 2013-05-27 12:10 | diary