真夜中の訪問者
一昨日、0時半くらいに呼び鈴が鳴る。こんな時間にいきなりの訪問者とは尋常ではない。ドアを開けると、片岡PとS嬢が立っていた。「ここ数日、誰も連絡が取れていない様子なので心配して見に来た」という。
確かに三日間ほど、脱ぎ捨てたジャケットの中にマナーモードの携帯を放置したままずっと触っていなかった。執筆で頭がいっぱいで電話とかメールとかシャットアウトしたかったのだ。当然仕事の連絡やプライベートの連絡も全て見ないまま過ごしていたので、結果的にすっぽかしてしまった打ち合わせなどもあったようだ。しくじったなあ。
グチャグチャのテーブルの隙間にマグカップで紅茶を出し、「単に執筆で精神的に追いつめられて引きこもり状態に陥っていただけで、食生活は最悪な状態だけれども一応元気だ」と説明する。人と会話するのも五日振りくらいだったのではないだろうか。
紅茶を飲みながら雑談し、とりあえず私の無事を確認した二人は一時間ほどして帰って行った。
食生活は本当にPoorで、レトルトはさすがに飽きて来たので最近はソバとトーストをローテーションに加えている。いずれにしろ調理に時間がかからないというのがマストな条件。本当はゼリーやヨーグルトでも十分なくらいだ。でもやっぱり外に出ないと病んで来るので、たまにはパスタでも食べに出た方が良さそう。
昨日はタカポンと二年振りくらいに晩ご飯。出所後に会うのは初めて。そろそろまた太って来てるんじゃなかろうかと思っていたが、思いのほか体重はキープしている。仮釈放中ながらもすでにフルスロットル状態でいろんな企画を推し進めているようだ。体型が細くなった分佇まいが優しくなったようにも感じられるが、人生に対するパワフルさは相変わらず。おかげで元気を分けてもらった気がする。
何日だか前に行った神宮前のカフェのイチゴタルト。
話変わって、昨今は「おじ靴」という名でブローグシューズが女子の間でもてはやされているようだが、そんな竹下通りで3980円程度の靴で「おじ靴」を名乗るのはオヤジ連中に失礼だ。本物のオヤジたちはもっと良い靴を履いている。
というわけでTricker'sのカントリーブーツ。古着屋で買ったが、試し履きだけのほぼ新品。
購入時は黒に見えるくらいのダークブラウンだった。クリーナーでいくらか染料を落とし、赤のクリームで手入れして明るめに仕上げた。
Tricker'sは短靴のBurtonを以前に紹介した事がある。
これも当初は暗めのパープルだったが、手入れして赤と紫のムラ染めのような雰囲気に仕上げた。透明感が出て気に入っている。
この二足の仕様はブーツと短靴という以外はほぼ共通している。ただし短靴の方がやや幅広に感じ、ブーツがUK9でジャスト、短靴はUK8ハーフで少し余裕があるくらい。ブーツの方が締め上げてフィックスし易いというのもあるだろう。
共通の仕様というのは、カントリーブーツというだけあって、非常にヘビーデューティーに仕上げられているところ。
ベロ部分は両羽根をつなぐように張られ、雨や砂や泥が入り込まないようになっている。
分厚いダブルソールで多少の水たまりやぬかるみなら内側に水が染みて来る事はない。
またソールとアッパーの間にストームウェルトと呼ばれる小さな防波堤のような革がグルリと挟まっており、水の浸入を軽減する造りになっている。
もともと田舎の舗装されていない道や草むらをガシガシ歩くために作られた頑丈さ優先の無骨な靴だが、タウンカジュアルにも耐えられる品がある。幅の広い作りだし、突然の雨にも動じなくて済むので日本人に適しているのではないだろうか。ちなみにレディースだとダブルではなくシングルソール仕様になっていて、いくらかスマートなイメージ。本格的「おじ靴」の購入を考えている方は是非Tricker'sから入ってみたらいかがだろう。
by maestro_k | 2013-05-04 01:13 | shoes